スノーボードツアー記 ~序~ |
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| 26日22時過ぎ。 男達は都内某所に集まった。 ボードのバスツアーに参戦するためだ。 文化会館の一階。行列が出来ている場所を発見する。 どうやらあそこが受付らしい。 「我こそは!!」という豪傑っぽい奴らがひしめく中、 MDの音量をマックスにして現実逃避しつつ順番を待つ。 ようやくオレの番がまわってくる。 出迎えてくれたのは最強の弁護士軍団ではなくただのおばちゃんだった。 なんとか無事故で受付けを済ませ、 今夜一晩かけオレらを戦場へ送り出してくれるバスに向かう。
ここで、オレ以外の集ったメンバーを紹介しておく。 ティンバー:標高2000メートル付近で高山病を発症させるスペシャリスト。富士山では、瀕死の状態で登頂したにもかかわらず御来光を拝むことなく帰ってきた底なしの病床を持つ男。
テン:松岡修造の後釜を狙う食いしん坊バンザイ。飲み会でもいつの間にかご飯セットを食っている。このツアーでも裏で何食食ったのか、オレにはわからない。バイトの店長をクビに追い込んだとんでもない経歴を持つ。天性のアタッカー。
オリ、別名 談志:プライドをこよなく愛し、大晦日は毎年のようにスーパーアリーナに通う。自慢の肉体は鋼鉄のように硬く、鏡の前で胸筋をぴくぴく動かしている。トルコ人の知り合いがいるにもかかわらず、オレが彼から教えてもらったのは悪口の単語一つ。トラックの運ちゃん。
警備員:見た目はもやしっ子だが、一説ではバイトの警備員で主任を勤めているとかいないとか。「うんうん」「そーだね」という適当な相づちをうちつつ、裏では何考えてんだか予想しづらいマイペースなヤツ。
このメンツで、バスに乗り込む。 今回の目的地は北志賀竜王スキーパーク。
座席表を確認すると、オレらの前の席に「ファン様」の文字が。 今回のツアーはワールドワイドだ。 どんな屈強なオランダ人なんだろうと、すかさずオレは彼の席の真後ろに乗り込む。 少しして、バスは出発する。 前にはニットを被ったファンの頭が見える。 彼がニットを脱ぐ・・・・・・オラン・・・・・じゃない!!!? と、ここで予想だにしない行動に出た。
ファンが何も言わずにシートを倒し始めた。
おいおい、そいつは反則ですよ。 日本国内で小さなカルチャーショック。 文化の違いって恐ろしい。 とはいえ俺も黙っちゃいられないので、 すぐに「スイマセン、ちょっと苦しいんでいす直してもらえま・・・」 と言おうとしたところ、ファンが電話をし始めた。 彼は異国語を話していらっしゃる・・・。 ひょっとして日本語は通じない模様。 隣の談志が「たぶんトルコ人だ。」と根拠のないことを言い出す。 顔の感じではオレも同意。 とりあえず、オレはアプローチの仕方を変える。 シートを両手で押す事にした。ファンを安眠させないために。 しかし、効果は得られず小1時間が過ぎる。 窮屈さに耐え、ようやく最初のトイレ休憩。 バスから猛者どもが次々に降りる。 オレもトイレを済ませ、一人いち早くバスに戻る。 そう、ファンの意思とは関係なく強制的にシートを戻すためである。 ミッション成功。 再び売店に行き飲み物とか買って、友達と駄弁る。 しばらくして、再び意気揚々とバスに戻る。 くつろいでいる様子のファン。
ん?
シートが・・・ また倒されていた・・・。 さっきよりも深く大きく・・・・。 そこには、座るって動作にも支障をきたすスペースしか存在しなかった。
コイツ・・・。 マナーってヤツをしらねーのか? さすがにココは引けねー。 そう思い、ファンの肩を叩く。 「スイマセン、苦しいんでシート・・・。」 といいつつ、シートを直すようジェスチャーをする。
ファン:「ああ・・・」 シートを直し始めた。
ふふん。なんだいえばわかる子じゃないか・・・ん? ひょっとして、日本語・・・わかるの・・・? 解決しかけた問題に新たな疑問を残しつつ、 ファンは睡眠モードに入っていった。
そして、ファンがシートを完全には直していない事実に気づきつつ、 俺たちも眠りにつこうとしていた。
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12月28日(水)13:51 | トラックバック(0) | コメント(2) | ニッキ | 管理
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1: ファンはオランダ人!
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| なんか写真かっこいいわ。俺はバスで吐いたおっさんのせいで帰ってきてからも体調がおかしくて富士山以来のインフルになってしまった・・。また行きましょう。
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by ティンバー | 1月2日(月)21:38
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2: ティンバーってあんた・・・(爆笑
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| いいベー写真。 行きのネタなのに帰りに撮った写真で誤魔化してみたんだけど、 インフル好きだなー。 もう、これからは鳥インフル・○○(←実名)だな。
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by koji | 1月2日(月)22:40
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